こんにちは。当事務所では、相続・遺言にまつわる制度の動きをお客様にわかりやすくお届けするため、毎週最新のトピックスをまとめてご案内してまいります。第1回となる今回は、2026年に入ってから相次いで動き出した 「相続・遺言の大型制度改正」 についてご紹介します。
制度改正・法改正1.「デジタル遺言」が閣議決定されました
2026年4月3日、政府は パソコンやスマートフォンで作成できる新しい遺言制度(正式名称:保管証書遺言)の導入を盛り込んだ民法改正案を閣議決定しました。
これまでの自筆証書遺言との違い
- 遺言の本文を パソコン・スマートフォン等で作成 できる(手書きでなくてよい)
- 押印が不要(要件から廃止される予定)
- 作成した遺言は 法務局での保管が義務 となる
ポイント: 手の不自由な方や、字を書くことに不安のある高齢の方でも遺言を残しやすくなります。一方で「法務局保管が必須」となるため、ご自宅で誰にも知られず保管する従来の方式とは性質が異なります。施行時期は今後の国会審議で確定しますが、準備のための情報収集を始めるのに良い時期 です。
制度改正・法改正2.「所有不動産記録証明制度」が始まりました
2026年2月2日、新しい証明書制度がスタートしました。亡くなった方が登記名義人となっている不動産を、全国分まとめて一覧化した証明書を法務局で取得できる制度です。
こんなときに役立ちます:
- 「父名義の不動産が他の市町村にもあるかもしれないが、把握できていない」
- 「相続登記の漏れを防ぎたい」
- 「先祖名義のまま残っている不動産がないか確認したい」
制度改正・法改正3.住所・氏名の変更登記が「義務」になりました
2026年4月1日から、不動産の所有者は 住所や氏名が変わったとき、2年以内に変更登記を行うことが義務となりました。正当な理由なく怠った場合は 5万円以下の過料 の対象となります。
ご注意ください: 引越しや結婚で住所・氏名が変わったまま、不動産の登記名義を「昔のまま」にされている方は多くいらっしゃいます。今後はこれらも登記義務の対象です。
なお、同時に開始した「スマート変更登記」(事前に法務局に情報を申し出ておけば、住民票の異動に合わせて登記官が職権で変更してくれる制度)を活用すれば、ご本人の手続き負担を減らせます。
なお、同時に開始した「スマート変更登記」(事前に法務局に情報を申し出ておけば、住民票の異動に合わせて登記官が職権で変更してくれる制度)を活用すれば、ご本人の手続き負担を減らせます。
制度改正・法改正4.相続登記義務化の「経過措置」期限が迫っています
2024年4月から始まった 相続登記の義務化 は、過去に発生した相続 も対象です。施行前に相続が発生していたケースでは、2027年3月31日 が登記期限となっており、残り 約10か月 となりました。
正当な理由なく期限を過ぎると、10万円以下の過料の対象 となります。「祖父名義のまま」「父が亡くなってから何年も経っているが手付かず」といったご相続については、早めにご相談いただくことをおすすめします。
制度改正・法改正5.「教育資金の一括贈与」非課税措置が終了しました
祖父母や父母から教育資金をまとめて贈与した場合に贈与税を非課税とする制度(教育資金一括贈与の非課税措置)が、2026年3月31日をもって終了 しました。今後は同制度を使った新規の贈与はできません。
また、2026年度の税制改正大綱では、貸付用不動産(賃貸物件)を使った相続税の節税スキームにも見直しが入っており、2027年1月1日以降の相続・贈与 から適用される予定です。アパート建築・タワーマンション購入などによる相続対策をご検討中の方は、計画を見直す必要があります。
6.直近の制度スケジュール一覧
| 2026年 2月 2日 | 所有不動産記録証明制度の開始(施行済み) |
|---|---|
| 2026年 3月31日 | 教育資金一括贈与の非課税措置 終了 |
| 2026年 4月 1日 | 住所・氏名変更登記の義務化/スマート変更登記の開始 |
| 2026年 4月 3日 | デジタル遺言(保管証書遺言)創設を含む民法改正案 閣議決定 |
| 2027年 1月 1日 | 貸付用不動産の相続税評価見直し 適用開始(予定) |
| 2027年 3月31日 | 相続登記義務化の経過措置期限 |

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